(一社)東洋はり関西4月例会
4/15(日)、森ノ宮医療学園専門学校にて、一般社団法人東洋はり医学会関西4月例会が行われました。
今月は様々な行事が併催されました。
◻平成30年度入会式
◻第2回認定アレルギー専門鍼灸師養成講座(認定コース)説明会
◻日米学術交流セミナー
◻入会式
今年も無事に新入会員のみなさまを迎えることができました。
新入会員のみなさまへ
本会で経絡治療を学ぶにあたって、以下のことを心がけてください。
🔘開業されている鍼灸師のみなさまへ
早速明日からでも経絡治療を実践したいお気持ちは分かりますが、今みなさんの治療室に来られている患者さんは、今までの治療法がよくて来て下さっているはずです。
その方々に対して急に今までの術式から経絡治療に変えてしまうと来なくなる危険性があります。
理由は治せるだけの経絡治療の学と術がまだ身についていないからです。
ですので、そのような危険は冒さずに、新患から経絡治療を試すようにして下さい。
あるいは既存の患者さんでどうしても今までのやり方でよくならないという場合で、患者さんの了承が得られた方のみ経絡治療を実践してください。
経絡治療の腕が上がるにつれて徐々に治療法を移行されていくことをお勧めします。
🔘勤務されている鍼灸師のみなさまへ
勤務形態にもよりますが、鍼灸整骨院などでは、鍼灸をする機会がなくマッサージや手技療法に従事することが多く、せっかくこの会で経絡治療を学んでも実践する機会がないという相談をよく受けます。
例え鍼をする機会がなくても、工夫次第心がけ次第で経絡治療の勉強を日常の業務の中で実践する事は可能です。
治療する前に手際よく脉を診るだとか、同じマッサージをするにしても局所の虚実のお勉強を兼ねて左右差を意識してみるだとか、置かれた環境下で最大限創意工夫してみてください。
それだけで昨日までと違う世界が見えてくるはずです。
そして、自分の家族や友人に対しては練習台になってもらって積極的に経絡治療をしてください。
🔘鍼灸専門学校・大学に通われている学生のみなさまへ
学生の本分は勉強です。
この国ではいくら技術があってもライセンスがないと鍼灸をすることができません。
国家試験に合格することを最優先してください。
将来を見据えて早くから経絡治療のお勉強に取り組まれることは素晴らしいことです。
学業に影響が出ないように、楽しく学びに来て下さい。
あらためまして、ご入会おめでとうございます。
なぜおめでたいかと言うと、みなさんは高度最先端医療である日本伝統鍼灸の経絡治療を実践する経絡治療鍼灸専門家への道に足を踏み入れられることを決断されたからです。
この道の先には如何なる未来が待っているかのを、症例を交えてご紹介させていただきます。
患者は101歳のおばあさんですが、ひと月前にトイレに座って立ち上がろうとしたときに足が痛くて立てなくなり全く動けなくなりました。
家族にかかえられて病院に搬送、そのまま入院、寝たきりになりました。発症の前日までは杖をつきながら歩けていた人がです。
検査では足の骨が変形し隙間なく癒着していてとてもじゃないが伸ばせない曲げれないとのこと、現在は退院され自宅療養されていますが、僅かでも動かそうとすると足に激痛が走るので横向きのままどうにもなれない状態です。
再び歩くのは無理でもせめて痛みを和らげてほしいということでご家族から治療の依頼を受け往診することになりました。
治療13回目で、自分で体を起こしてベッドに腰を掛けれるようになりました。
14回目の時、車いすに移動ができて家族と40日ぶりにテーブルを囲んで食事を取ることができ、とっても美味しかったとそれはそれは嬉しそうに教えてくれました。
15回目の治療に伺った際には、立って歩こうとされたのを家族全員で止めましたと娘さんも嬉しそうに報告してくれました。
再び立ち上がって歩けるように現在も継続治療中です。
まだ寝たきりになってひと月半とはいえ、ほとんどの方がここから回復することは普通に考えて相当確率が低いものと思われます。
ですが101歳の方が寝たきりから再び立ち上がって歩こうかというくらいまでに回復されました。
山中教授のIPS細胞は皆さんもご存じだと思いますが、経絡治療はそれに劣らないくらい、もしくはそれ以上に再生医療です。
新入会されたみなさん、この素晴らしい経絡治療を死に物狂いで習得してください。
私は毎月例会に宝物を拾いに来ていますが、その宝物をつなげたらいつの間にか誰かを救えるようになりました。
近い将来このあるあるを共有できることを楽しみにしています。
本会と一緒にみなさんも成長していきましょう。
◻第2回認定コース説明会
アレルギー疾患は鍼灸適応症です。
いよいよ来月5月に開講しますが、一人でも多くの受講生とお会いできるのを楽しみにしております。
アレルギー疾患に対する経絡治療鍼灸臨床を公開された、本会相談役古野忠光先生。
参加者のみなさんにとっては実際に見てイメージしやすかったのではないでしょうか。
◻例会
新しい仲間と共に平成30年度のカリキュラムがスタートしました。
■臨床こぼれ話
「アトピー性皮膚炎の症例集」古野忠光
■普通部1年 経絡治療学基礎講座
「経絡治療の学び方」 三好力
「経絡治療学総論」 水谷陽子
■普通部2年 経絡治療学臨床講座
「経絡治療家になるために」 中島聡子
「証決定」 榎本寛
■高等部/研修部/研究部 経絡治療学実践講座
「五臓の生理と病因病理と病証(肝)」 中野正得
「脉診の仕方」 神開雄三
■私の臨床室
「頭髪に対する経絡治療」宮脇ゆかり
◻日米学術交流セミナー
アメリカで伝統鍼灸の指導的立場にあられる桑原浩榮先生が組織された、北米はり協会に所属するアメリカ人鍼灸師の先生方と学術交流をはかりました。
◼特別講演
「アメリカにおける小児疾患の鍼灸治療」桑原浩榮先生(北米はり協会会長)
■特別講座
「アメリカの鍼灸事情について」アーランド先生(通訳 桑原浩榮先生)
アメリカの鍼灸受療率ですが、広大な面積ですので一概には言えず州ごとによってに違いがあるようです。
州によっては非常に鍼灸がポピュラーなところもあるようです。
ニューメキシコ州などでは疾病治療のファーストチョイスに鍼灸を選択される方が30%に上るようです。
アメリカで鍼灸が盛んになってきたのが1977年頃らしいですが、傾向としては、年々、感染症問題などもあってか、患者も施術者もソフトな治療を求めているようで、接触鍼による経絡治療を始めとする日本鍼灸に強い眼差しが向けられているとのことです。
本会の痛くない鍼と熱くないお灸による経絡治療とアメリカ人鍼灸師の思惑が合致するのはそこにあります。
■実技
日米の鍼灸師が合同で、本治法トレーニングと古野式経絡骨盤調整療法を実習しました。
先ずは症状のあるモデル患者をあげ、班員全員で四診して証を立てます。
私が指導を担当させていただいた班では、ディスカッションした結果、右適応側の肝虚脾実証で本治法を進めることになりました。
私の班に入っていただいたアメリカ人女性鍼灸師の先生に、右曲泉に1本目の鍼を打ってもらいましたが、その刺鍼技術の高さに驚かされました。
日本人よりも繊細なタッチと刺鍼で、脉状、皮膚の艶、主訴の腰痛を瞬時に変化させました。
very good👍
本治法を終えた班から順番に、古野式経絡骨盤調整療法をレクチャーしてまわる古野先生。
鼠径部の所見に対する接触鍼で全身の症状が和らいでいく魔法のような治療法に、アメリカ人鍼灸師の先生方も大満足されていました。
他の班でも熱心に技術修練。
言葉が通じなくても陰陽虚実補瀉でコミュニケーション。
■懇親会
日米学術交流を締めくくるに最高に素敵な宴となりました。
私たちは経絡治療鍼灸専門家という絆で結ばれた同士です。
この素晴らしい治療法を世界の果てまで発展させましょう!
Thank You\(^o^)/
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